君の矢印【完】
「天音ちゃんもおはよ!」
にっと歯が全部見えるくらい笑って見せる咲夜くん。
「あ、…朝からうるさいっ、」
天音は顔を真っ赤にして、反応する。
あー、先に歩いていっちゃった。
多分だけど、咲夜くんは天音のことが好きで、天音も咲夜くんのことが気になってると思う。
バカな私でも気づいてしまう、2人の空気感。
なんだか2人とも甘酸っぱいオーラが出てるんだもん!
そうなると2人は両思いで、律くんは片思い。
律くんはきっと失恋しちゃう…
私には好都合だけど、律くんはきっと辛いよね。
朝から天音のあからさまな態度を見て、隣の律くんが心配になって見上げるけど、特になんにも感じてなさそうですこし安心した。
天音はもてるなぁ。
そうだよね、綺麗で美人で、勉強も運動もできるんだもん。
モテたいわけじゃないけど、好きな人の好きな人だから、とっても羨ましい…