君の矢印【完】
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side 律
あー、ネクタイを頑張って結ぼうとするいこい可愛かったな。
あのまま食べちゃいたいくらい。
出来なくてショック受けてるところも刺さる。
でも、天音と目黒が付き合ったことを聞いてから、明らかに様子がおかしかった。
…まあ好きな人が親友と付き合ったんだからしょうがないか。
「律〜、天音ちゃんから聞いた?」
「ああ、おめでとう。」
目黒は今日も能天気に笑う。
ほんと人懐っこいやつ。
目黒はずっといこいの事が好きなんだと思ってたから、天音の話を聞いた時は相当驚いたけど。
「ありがと!律も頑張れよー!」
肩にポンっと手を置く。
「は?」
何言ってんだこいつ。
「好きなんだろ?いこいちゃんのこと。」
「なっ、なんでそれっ」
見透かしたように、満面の笑みを向けられる。
誰にも言った事ないのに、なんでバレてんだ。
「いや、分かりやすすぎだろ!」
「俺、目黒が天音のことが好きだなんて気づかなかった」