君の矢印【完】


「律は鈍感だもんな!?」


バカにしたような含み笑い。


なんかむかつくな。


「は?!どこがだよ!」



そんなこと言われた事ないし。



てか、お前みたいな能天気野郎に言われたくねえよ。



…意外と鋭いみたいだけど、




こいつ侮れねえ…



「全部だよ!まだ気づいてないことたくさんあるぜ!」




「どういう意味だよ」



こいつ自分に向けられてる好意には気づかないくせに、やけに上から目線だな…




「それは教えない!まあお前も頑張れよ〜!俺はマイハニーのところに行ってくるぜ〜!」




「はぁ、うぜえ。」



そう言って、いこいと話す天音のところへ一直線に走っていった。



自分は好きな人と付き合ったからって、幸せなやつだな。



…他所で傷ついてる人がいるとも知らずに。


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