君の矢印【完】



律くんは私のことをどうも思ってない。



キスしたり、膝枕したり、間接キスしたり、ハグしたりしても、



顔色ひとつ変えないのは、私のことが好きじゃないから。



弄ばれてるんだ。



律くんが怒った理由だって、すごく真剣に考えたのに、違うって突き放された気分だった。



ショックで、すごく傷ついた。



必死に考えた答えだって平気であんな態度を取れるのは、それまでの私が相手だから。



天音と咲夜くんは付き合ったけど、律くんは諦めてないみたいだし、




私は天音には敵わないんだって分かった。




…私は、律くんを諦めたい。



もうこれ以上辛い思いをするのが嫌なの。





もう無理。

< 53 / 70 >

この作品をシェア

pagetop