オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
「順番間違えてごめん。
告白もしてないのに、寝ぼけてあんなふうに抱きしめたりして…驚いたよな」

「…え?間違えたって、彼女のことじゃ…」

「彼女?」


翔太くんはなぜか眉を寄せて首を傾げる。


「俺は『順番』を間違えた。
…なんか勘違いしてた?」

「するよ!彼女と間違えて抱きしめたのかと…」

「彼女なんていないよ。
最初にそう言ったでしょ」

「言ったけど、それは最初の話で…」

「彼女がいたら弁当をお願いしたりしないよ」


ぴしゃりと即答され、言葉に詰まった。

私の手を握る力が増し、真剣な瞳がこちらを見つめる。


「絶対助けなきゃって思った。
あんな遺言みたいなの、言わせっぱなしでたまるかって」

「…そういえば私、翔太くんに何かメッセージ打った気がする」

「朦朧としてて覚えてない?」

「うん」


翔太くんはふっとやわらかく微笑む。


「…じゃあ、俺が同じこと言うよ」


彼はそっと私の身体を包み込み、耳元でやさしく囁いた。


「… “あなたが、すきです” 」



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