オレンジ服のヒーローは全力で彼女を守りたい
2
翌日、午前9時すぎ。
彼は大体いつもこの時間に帰ってくるはずだ。
玄関のドアの内側に座り込んで、耳を研ぎ澄ませる。
少しして、コツコツと靴音が近づいてきた。
…あ、帰ってきた。
ドキドキしながらドアを開けると、手前まで来ていた彼が驚いたように目を見開いて立ち止まった。
「あの、おはようございます。
昨日はありがとうございました」
頭を下げると、彼は爽やかに微笑んだ。
「おはようございます。
あのあと体調大丈夫でした?」
「はい。しばらく救急の人が様子見てくれてて…
水分取ったら身体も楽になって」
「それはよかったです」
こうやって面と向かって見ると、ずいぶん整った顔立ちをしている。
緩やかに上がる眉。切れ長の一重瞼、見本のように整った鼻筋と薄い唇。シャープな顎のライン。
さっぱりしたベリーショートの黒髪が爽やかだ。
「何かお礼をしたいんですが…どんなのがいいかわからなくて」
「んーお礼かあ…」
彼は宙を見上げて何か考えている様子。
そのうち、閃いたようにこちらに顔を向けて問いかける。
「今日仕事は休み?」
「はい」
「じゃあちょっと付き合ってくれないかな。
行きたいところがあるんだけど、男一人じゃ行きづらくて」
「お、男ひとりじゃ行きづらいところ?」
「とりあえず準備してきてください。
俺もしてきます」
「は、はい…」
彼は隣の部屋の鍵を開け、ドアの中へと入って行った。
彼は大体いつもこの時間に帰ってくるはずだ。
玄関のドアの内側に座り込んで、耳を研ぎ澄ませる。
少しして、コツコツと靴音が近づいてきた。
…あ、帰ってきた。
ドキドキしながらドアを開けると、手前まで来ていた彼が驚いたように目を見開いて立ち止まった。
「あの、おはようございます。
昨日はありがとうございました」
頭を下げると、彼は爽やかに微笑んだ。
「おはようございます。
あのあと体調大丈夫でした?」
「はい。しばらく救急の人が様子見てくれてて…
水分取ったら身体も楽になって」
「それはよかったです」
こうやって面と向かって見ると、ずいぶん整った顔立ちをしている。
緩やかに上がる眉。切れ長の一重瞼、見本のように整った鼻筋と薄い唇。シャープな顎のライン。
さっぱりしたベリーショートの黒髪が爽やかだ。
「何かお礼をしたいんですが…どんなのがいいかわからなくて」
「んーお礼かあ…」
彼は宙を見上げて何か考えている様子。
そのうち、閃いたようにこちらに顔を向けて問いかける。
「今日仕事は休み?」
「はい」
「じゃあちょっと付き合ってくれないかな。
行きたいところがあるんだけど、男一人じゃ行きづらくて」
「お、男ひとりじゃ行きづらいところ?」
「とりあえず準備してきてください。
俺もしてきます」
「は、はい…」
彼は隣の部屋の鍵を開け、ドアの中へと入って行った。