イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

失恋

 
 その日。
 紫は彰の仕事が終わるのを待って、一緒に病院を出た。

 今日は待ちに待った三人での夕飯だ。
 
 「どこに行くの?」
 
 「個室もあるこじゃれた居酒屋。駅の裏側にあるんだ。行ったことある?」
 
 「私……歓迎会とか以外に外で飲んだことないの、実は」
 
 「まじか!品行方正だなー、紫」
 
 「……そういうんじゃなくて。誘われないし、行く人も特にいないし。母のこともあって……」
 
 「そうだよな……ごめん。お母さんどう、その後?」

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