イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
 
 光琉はふたり暮らしをしたことがなかったので、こんなに居心地がいいのかと驚いていた。
 そして実は彼女のいる生活が当たり前になりつつあることに危機感を覚えていた。

 アプリで知り合った女と紫といるくらい、自分らしく生活できるのか自信が無かった。
 そして、紫が他の男と出て行くことを考えると無性に腹が立ってきて、自分の気持ちを持て余しはじめていた。

 紫は、母の代わりに光琉という家族と暮らしているという認識しかなかった。

 そんなとき。紫が光琉に報告した。

 「私、会ってみることにしました」

 「え?」

 「今、ふたりの人に絞ったんですけど、会いたいと言ってみようかなと思っていて……」

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