イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 だが、面白いから同じ場所で会おうと言う紫に、確かに興味があるからそれもいいなと思い直し、自分のアプリの相手に紫が言っていたホテルのラウンジを指定した。時間も少しずらそうとしたが、紫の一人目は自分が相手と会う時間と同時刻になってしまった。

 「ま、いいじゃないですか。近くに座っていればお互いの相手を見ることは出来ますし、私の二人目は一時間後だから長引かなければ先生も見ること出来ますよ」

 「……俺たち何やってんだろうな?」

 「え?合同お見合い?」

 「それは違うだろ。なんかなー」

 「楽しみ。どんな人かな?何着ていったらいいんだろう?松葉杖なんて恥ずかしいな」

 ひとりで頬を赤らめ楽しそうに話す紫を、光琉はイライラと見ていた。自分のことをすっかり忘れている。

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