イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
光琉はビクッとした。
やっぱりねと紫は思った。
すると、恐ろしい低い声で光琉が言う。
「そんなわけないだろ。お前はあかりじゃない。そんなことは百も承知だ。俺をばかにしているのか?」
すごい怖い顔で紫を睨んでいる。まずい。言ってはいけないことを言ってしまったのかもしれないと紫は後悔しはじめた。
すると、瞬間顎を捉えられ、光琉の顔が顔いっぱいに近づいてきたと思ったら目をつむった瞬間に、柔らかい物が唇を覆った。
まさかと思って、目を開けると一旦離れた唇がまたおちてきた。
紫はびくりとした。次に唇が重なったときに気持ちがよくなり、彼の求めるまま口を開けた。
そして彼の深い口づけに目をつむった瞬間に不思議な記憶が自分に入ってきた。
この口づけをした記憶がある。そしてこの手、この抱き方、愛してると言う言葉が聞こえてくる。
泣きながら他の人のところへ行こうとする光琉そっくりの彼を気丈に送り出す自分にそっくりの女性の姿が見える。そして、最後には泣きながら死んでいく私に似た女性。光琉そっくりの彼も泣いている。これは何?そう思ったときに彼の唇が離れた。