イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
「あの……」
「そうですね。あなたは何もまだ思い出していない。でも、この梅園に毎年来ているから、導かれている。心配はいらない」
彼は小さな声で話し出した。
「えーと。普通、生年月日とか名前とか言わないんですか?顔見ただけで分かるとか怖いんですけど……」
私はびっくりして、彼の顔をじっと見た。
「そうですね。普通はそう、聞きますね。あなたの後ろにあるものが私にはみえるから必要ない」
「え?」
私は立ち上がって、後ろを振り返った。
周りをよく見るが何も見えない。