イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
 
 「え?」

 「私は今、細川さんの診察を終えたところだよ。高熱で、点滴を入れた。で、それを知った光琉がキレたんだな」

 「ええ。看護師を叱って泣かせてしまって。何人かが細川さんの勤務状態のこともあって、彼女を庇って更に火に油を注いで……」

 院長は手を上げてもういいという仕草をすると、ため息をついて中央に向かって歩き出した。

 「皆さん。息子が言いすぎたようで申し訳ない。光琉、ちょっと来なさい。それから……細川さんのことですが、忙しいのに色々皆さんにしわ寄せがいっているようで大変申し訳ない。もし、人手が足りないなら回すようにしますので、こちらに言って下さい。細川さんは重症患者だったのでご理解下さい。ご迷惑なら仕事を控えるようにこちらで何とかしますから。追い詰めないでやって頂けますかね。叔父としてこれはお願いです。先ほど高熱で意識が無く倒れました」

 皆驚いてざわざわしだした。


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