イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 母は私の不安の正体に絶対気付いている。
 でも、自分が原因かも知れないと思い、何も言わないのだ。

 それだけではない。実は前世のこともあるのだが、それは誰にも言っていない。

 「紫。とにかく、光琉先生のことは任せて。どういう状況か教えてあげるよ。私にも連絡してきたし、探し回ってるよ。帰る予定の時に戻ってこないし、確認すれば予定の場所へ行ってないし。紫を信じて少し待ってあげてとお母さんが言ったらしくて、絶対隠されてるって思ってると思うよ」

 お母さんには悪役をさせてしまって、申し訳ないと思っている。
 でも、私の迷いを見抜いてる。

 光琉に言わないでくれているのもそのためだ。母はきっと院長やあかりさんも味方につけているに違いない。
 どうせ、そんなに長い間隠れることが出来るわけないのだ。

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