イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
言われていた注射器の補充が終わり、私はこの息子と病棟の巡回に行かないといけないのよね。
うんざり。院長との巡回なら喜んでいくのに。
とにかく、包帯の予備を入れて、カートを出す。
電子カルテを準備して京介さんが来るのを待つ。
「細川さん、巡回代わってあげる」
振り向くと、二年先輩の塩野さんがにっこり笑っている。
これは、そういうことか……息子目当てだな。
「はい、お願いします」
「細川さん。君、巡回僕と行ったことないでしょ。新人だし、一度行って覚えてもらった方がいいな。塩野君。また今度ね」
ウインクして塩野さんを見る。
真っ赤になって頷いている。
はー。私は代わりたいのにな。