イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
「そうかもしれないね……私だってきっぱり別れたいってどうして言えないのか悩み続けてた。だってやっぱり好きだし……」
光琉は顔を覆うと、がっくり肩を落とした。
「それだよ。そうやって、俺を翻弄するんだ。お前相当の小悪魔だな」
光琉が引き出しから出して見せた。細長い箱。リボンはなくなっている。
それは、私が買っておいた光琉の誕生日プレゼントだった。
『誕生日おめでとう。光琉先生にとって素敵な一年になりますように』
『嘘ついてごめんね。少しだけ時間を下さい。自分の気持ちに向き合いたいの。必ず戻るから』
カードに私が書いた文字。ネクタイ。そして、そのネクタイの中に梅の練り香を少しいれてある。だから箱を開けると香りがするんだ。