イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
どうして作ったか……これを渡す勇気が出たら結婚できるかも知れないと思って作っておいたもの。
でも勇気が出なかった。一旦逃げたかった。
「プレゼントはね、半年以上前に作ってあった。ちょっと特別なものだから。直接渡すつもりだったよ。それくらい考え抜いて作ったの。渡せなくてごめんなさい」
「確かに特別だったな。何故か懐かしい梅の香りがする。実は不思議なことが起きたんだ。ネクタイを枕元に置いて寝たら夢を見たんだ。不思議な夢。信用してもらえないかもしれないけどさ、俺みたいな人がいて、紫そっくりの女性と結婚してるんだ。でも、紫がいるのに他の女のところへ夜に出かけて、戻ってきたら紫がだんだん悲しそうにして、病気になって死んじゃうんだよ。俺は残されて狂ったように悲しんでいる」
まさか。それって、私の夢と同じ内容。どうして?光琉先生が相手だったんだよね、やはり。私の夢も同じ顔だった。だから、光琉先生と結婚したくなかったんだよ!