イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 神主は何事も無かったかのように式を続け、終わった。
 式が終わったときに、声をかけたが、お幸せにねというだけでいなくなってしまった。
 
 「光琉先生。あの神主さんが占い師だったの……」

 「これは、もう運命だな。とにかく言われたように俺は生きるよ。そうすれば、昔の人も今の俺もきっと幸せになって、何かを得られるんだろ?」

 「そうかもしれないけど……」

 光琉はわたしの手を取って、左薬指の指輪を撫でた。

 「誰に何を言われようとも紫だけを愛していくから、紫も俺だけを見て……」

 私も彼の左薬指の指輪を撫でた。

< 286 / 311 >

この作品をシェア

pagetop