イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
三時頃約束をしていたので最上階の応接室を訪ねると、エレベーターを出たところで美しい女性が立って待っていた。
どこか、既視感がある。なんだろうと考えたが、笑顔で近づいてくるその人に会釈をした。
「紫ちゃんね?いらっしゃい。大きくなったわね。私が叔母の藤野あかりです。よろしくね」
可愛らしさと色気が同居する人を初めて見た。こんな魅力的な人がいるんだと自分の叔母だというのに見入ってしまう。
「紫ちゃん?」
「あ、すみません。細川紫です。今日はお忙しいのにお時間頂きありがとうございました」
ぺこりと頭をさげる。
「いやだ、そんな他人行儀な。やめてちょうだい。親戚なんだから、あなたは私の姪なのよ。さあこちらへ」
そう言うと、部屋へ向かって歩き出した。