イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
「ありがとうございます。母のことは出来ることならこちらにお願いしたいです。費用は私が払いますから」
「やめてちょうだい。費用はうちで持つから。お母さんには私から話すわ。慰謝料も取らず、両親からの手切れ金も受け取っていないのよ。あなたを育てるのだって大変だったでしょうに。これはこちらが払うべきなのよ」
お母さん……どんな気持ちで私を育ててきたんだろう。涙が出てしまった。
「ああ、紫ちゃん、泣かないで。ごめんね。大丈夫よ。これからはお母さんの代わりに私がいるから、何でも言ってちょうだい」
叔母はこちらへ回ってきて、私の横に座り、背中をさすりながら泣きじゃくる私を抱きしめてくれた。
すると、トントンと扉をノックする音がした。
「あら、もう終わったのかしら。早かったわね」