イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す
 
 すると、また、背中を撫でられる。
 今度は右手で背中を撫でたまま、左手が頬を触る。

 「やめてっ!」

 私は驚いて立ち上がって距離を取った。

 「なに大きな声を出しているんだい?周りに聞かれたらどうするの?」

 にやりと笑ってこちらを見る。
 私はとっさに、タオルをつかんだまま住田さんのところを出た。

 周りは皆カーテンを引いているので気付かれていない。
 急いで走ってナースステーションに戻る。

 私の様子が変なことに気付いた看護師がいたが、なんだか知らんぷりされている。
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