イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 その口調。まさか……。

 「もしや、井上副院長って元カノですか?」

 「元カノではない。俺を追い回していた女のひとりというだけだ」

 なんなの、その悪びれない物言い。だから、いやだったのに。

 「もう、昔の女は関係ないと何度言ったらわかるんだ。俺の運命の女は紫、おまえひとりだよ」

 「結婚できないって言っているのに、どうして追いかけてくるの?!」

 私たちはまた同じ台詞を役者のように繰り返す。
 どうしてこうなるかな。
 
 「ふん。何とでも言ってろ。紫、お前は本当は俺が好きなんだよ」

 
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