イケメンドクター今世も梅香の君にめぐりあいて再び愛す

 「あ、気がついた?紫ちゃん。痛いわね、すぐに呼ぶから待っててね」

 聞いたことのある声。

 すると、しばらくして目の前に藤野先生の顔が見えた。

 「どうだ?痛み止め入れているがまだかなり痛いかも知れないが。開放骨折だ。複雑に折れてしまっている。なんでこんな転び方をしたんだ」

 「今週は夜勤も多くて、実家へ行ったりで睡眠時間が少なくて疲れがありました。そこへ少しアルコールが入って階段踏み外してしまって……ご迷惑おかけしてすみませんでした。せっかく先生の歓迎会だったのに……」

 「……まあ、二次会とかなくなって助かったけど、君は笑えない状況だ。これは完治まで結構かかるし、手術も必要だ。しばらく動けない。細川さん、あかりに聞いたら親戚らしいな。俺はまったく血縁じゃないが。頼まれたから俺が面倒見てやるよ」

< 70 / 311 >

この作品をシェア

pagetop