恋愛は苦手です。でも恋の神様やってます。
夜、7時。
今回は食べ過ぎず、飲み過ぎず適度に腹八分目にしといた。
だってこの前めっちゃパンパンだったから!
座るのちょーーーー!きつかったもんなぁ!
腰回りにタオルつめつめしなくてもいいくらいのお腹だったし……。
そんなことを考えていたら、障子の向こうに人影が。
「失礼致します、お客様がお見えになりました。」
「どうぞ」
母の返事とともに、障子がスッと開いた。
今日は、綺麗な女性……。
とても若い。10代後半から20代前半くらいかなぁ?私よりちょっと上くらいに見える。
「桐谷様、お久しぶりです。……とはいっても、貴女はきっと憶えていないでしょうね。」
母が懐かしそうな顔をしている。
子供の頃にでもお会いしたことがあったのか……?
「みやび様、お久しぶりでございます。赤子の頃にお会いしたことがある、と父から伺っております。」
私とそんなに歳変わらないのに、しっかりした口調と視線で母と話している。
きっと、自分が何者なのか自覚を持って生きている人なんだろう。
昔話を軽くした後、桐谷様は写真を数枚取り出した。
「実はこちらをみていただきたいのですが……。」
5人の男性。お見合い写真のようなキチッとした方が4人、1枚だけラフな格好の男性の写真。
とてもわかりやすい……。
「もし、この中で私とご縁のある方がいたら教えてほしいのです。」
すべて覚悟を決めた顔で私を見ている。
「朝倉様のご当主が唯様になられたとのこと、おめでとうございます。唯様に視て頂くために本日参りました。……どうぞ、宜しくお願い致します。」
そう言って桐谷様は深々と頭を下げられてしまった。歳が近いのをわかっていながら、私の力を頼ってきてくれたのか……。
ということは、かなり追いつめられている…。
……とりあえずやるしかない。
「わかりました。」
心を落ち着けて、目を瞑って集中……。
すぅ……と息を吸い込んだ後、目を開いて箱を取り出した。
そっと開いて、両手で鋏を持ち上げたその時。
物凄い勢いで赤い糸が先程の写真の中の1枚に繋がっていった。
そう、ラフな格好の男性。
カメラに向けた笑顔だけでわかる、ファインダー越しに相手への愛が伝わるほどの1枚。
お互い、相思相愛なのに。わかりきっていたのに何故……?
「……唯様?」
少し心配そうな顔をしながら桐谷様は私に声をかけてきた。
母は私をじっと見つめている。
「……あ、失礼致しました。こちらの男性に繋がっております。」
そう、桐谷様もわかっていた答え。
「失礼ですが、こちらの方は……?」
「……はい、私の愛する御方です。」
「では、確認をされたかったのですか?」
すると桐谷様は大きく息を吸って、言った。
「こちらの御方との縁を切っていただきたいのです。」
(……え、なんで?)
私の顔を見て、何を考えているのかわかってしまったんだろう。
寂しそうな、切なそうな顔で桐谷様は話してくれた。
「お恥ずかしい話ですが、桐谷の家がいま無くなりそうなのです……。なので、こちらの4人の中から新たなる結婚相手を探して頂きたいのです。」
政略結婚ってことか……。
今回は食べ過ぎず、飲み過ぎず適度に腹八分目にしといた。
だってこの前めっちゃパンパンだったから!
座るのちょーーーー!きつかったもんなぁ!
腰回りにタオルつめつめしなくてもいいくらいのお腹だったし……。
そんなことを考えていたら、障子の向こうに人影が。
「失礼致します、お客様がお見えになりました。」
「どうぞ」
母の返事とともに、障子がスッと開いた。
今日は、綺麗な女性……。
とても若い。10代後半から20代前半くらいかなぁ?私よりちょっと上くらいに見える。
「桐谷様、お久しぶりです。……とはいっても、貴女はきっと憶えていないでしょうね。」
母が懐かしそうな顔をしている。
子供の頃にでもお会いしたことがあったのか……?
「みやび様、お久しぶりでございます。赤子の頃にお会いしたことがある、と父から伺っております。」
私とそんなに歳変わらないのに、しっかりした口調と視線で母と話している。
きっと、自分が何者なのか自覚を持って生きている人なんだろう。
昔話を軽くした後、桐谷様は写真を数枚取り出した。
「実はこちらをみていただきたいのですが……。」
5人の男性。お見合い写真のようなキチッとした方が4人、1枚だけラフな格好の男性の写真。
とてもわかりやすい……。
「もし、この中で私とご縁のある方がいたら教えてほしいのです。」
すべて覚悟を決めた顔で私を見ている。
「朝倉様のご当主が唯様になられたとのこと、おめでとうございます。唯様に視て頂くために本日参りました。……どうぞ、宜しくお願い致します。」
そう言って桐谷様は深々と頭を下げられてしまった。歳が近いのをわかっていながら、私の力を頼ってきてくれたのか……。
ということは、かなり追いつめられている…。
……とりあえずやるしかない。
「わかりました。」
心を落ち着けて、目を瞑って集中……。
すぅ……と息を吸い込んだ後、目を開いて箱を取り出した。
そっと開いて、両手で鋏を持ち上げたその時。
物凄い勢いで赤い糸が先程の写真の中の1枚に繋がっていった。
そう、ラフな格好の男性。
カメラに向けた笑顔だけでわかる、ファインダー越しに相手への愛が伝わるほどの1枚。
お互い、相思相愛なのに。わかりきっていたのに何故……?
「……唯様?」
少し心配そうな顔をしながら桐谷様は私に声をかけてきた。
母は私をじっと見つめている。
「……あ、失礼致しました。こちらの男性に繋がっております。」
そう、桐谷様もわかっていた答え。
「失礼ですが、こちらの方は……?」
「……はい、私の愛する御方です。」
「では、確認をされたかったのですか?」
すると桐谷様は大きく息を吸って、言った。
「こちらの御方との縁を切っていただきたいのです。」
(……え、なんで?)
私の顔を見て、何を考えているのかわかってしまったんだろう。
寂しそうな、切なそうな顔で桐谷様は話してくれた。
「お恥ずかしい話ですが、桐谷の家がいま無くなりそうなのです……。なので、こちらの4人の中から新たなる結婚相手を探して頂きたいのです。」
政略結婚ってことか……。