恋愛は苦手です。でも恋の神様やってます。
やっと終わった……。今日も学生おつかれ自分。やっぱり勉強って大変、まぁ大学行って将来の夢の為なら……!ってもー将来決められちゃったしなあ。やる気がでないよ。

「おっつかれー唯!」
大声で手を振りながらやってきた。
「セナ……はずかしい男だよ。」

こいつは東條世那、いわゆる幼なじみだ。
幼稚舎からあるこの素晴らしく古めかしい我が学び舎……東條学園の御曹司だ。
子供の頃からずっと一緒だったので慣れてるけど、シュッとした顔でまつげが長くて目が切れ長で……まぁいわゆるイケメンらしい。
モッテモテのこいつはいつも忙しい。

「ってか今日はセナこそ時間あったの?無理して合わせてくれたんじゃないでしょうね?」
「そんなの当たり前だろ、唯のためにすべてキャンセルだよ!」
どや!って顔してこっち見てきた。
「そうか……ありがとう。じゃあいこっか。」
軽くスルーして大通りにあるカフェに向かった。



「んで、どーしたのよ。」
いきなり本題を出してきた世那。まぁ気になるよねー。
「いやぁ、簡単に話すと今日から朝倉家当主になったの。」
ソイラテを飲みながら淡々と言った。
「え!!!?マジで!!!!?」
予想以上に世那が驚いていた。いずれ継ぐであろうと思っていただろうに。
「あんただっていずれ継ぐでしょ?そんなにびっくりする?」
「そりゃびっくりだよ、だってお母さんまだ若いから現役でやってけるじゃん?」
「あぁ、うちは16歳で代替わりなのよ。言ってなかったか。」
「まだ学生なのに大変だな、でも特別なにかやるわけじゃないんだろ?ってか継いでなにかするの?」
あ、やばい。
これ以上はお客様にならないと正体はあかせない。そしてお客様になった時点で箝口令が出る。誰かに話してしまった場合は、恐ろしい何かが起こりますよと聞いた。
恐ろしい何かってゆーのが恐ろしくて皆話さないらしい。
なんていい人たち。

「まぁ、特に変わらないけどコトさんたちがいきなり当主扱いでつらたん……。」
「そりゃ寂しいよな、いきなり距離感だろ?大人になるってそーゆーことなのかー……。」 

いずれ世那もそうなるだろう。
お互い難しい星の下に生まれてきてしまったな。
それでもその状況を世那なら楽しんでしまいそうな予感もするけど。

「じゃあチーズケーキ奢ってやるよ、まってろ買ってくるから。」

席を立ってカウンターにケーキを買いに行ってくれた。私の大好物。
これがあれば明日からまた頑張れる。ありがとう世那。

チーズケーキを美味しく頂いて、私達は家路についた。
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