恋愛は苦手です。でも恋の神様やってます。
結局、寝て過ごしてしまった……。

ヤバい、ノート誰かに借りないと。何も書いてない。でも労働基準法違反だよね!?昨日のは!?法に触れるんじゃないの!?

なんてことを色々考えながら世那を待っていた。

「お待たっせー!」
軽やかにスキップしながらやってきた。

「2日連続セナを独り占めしてごめんね、大丈夫?」
顔を縦にブンブン振りながら世那は私を見つめて言った。
「勿論大丈夫!唯のためだもん!って俺、健気じゃない?」
捨てられた子犬のような目で私に訴えてくる。健気……ねぇ?
「まあ、健気(笑)」

とりあえず合わせておいて、いつものカフェに向かった。

昨日と同じソイラテを一気に飲み、ぷはぁ~!っとやっている私を見て、こりゃストレス溜まってんなと踏んだらしい。

「んでどしたのさ?昨日の今日でこんなに疲れちゃうものなの?」
アイスコーヒーにミルクを入れ、ストローで回しながら私を見つめる世那。

「うーん……まあ、疲れちゃうものなのよ。私いつも寝るの早いじゃん?なのに仕事が入って昨日0時過ぎたのよ。」
「高校生はそんな時間に働いたらいけないんだぞ。」
「まぁそりゃわかってるよ、でもお客様がいらしたから……。」
ついうっかりその先を言おうとしたその時。




口が、閉じた。
開けられないし、声も出ない。
え!?これがまさかお母さんの言ってた『恐ろしいこと』??

顔面蒼白になり、そのまま私はその場に突っ伏した。感覚的にわかる。





これは、呪いだ。






薄れゆく意識の中、世那の声だけが聞こえていた……。
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