変 態 ― metamorphose ―【完】
「チカくん、ハーブティーとか飲むんだ」
男の人というとブラックコーヒーのイメージがあった。
実際、綴は年中ブラックコーヒーばかり飲んでいる。
「知り合いがそういう少しめずらしいものが好きで、よくおすそ分けしてくれる」
「ふうん」
知り合いって、男かな。女かな。
それって本当に、ただのおすそ分けなのかな。
おすそ分けと言ってしまえば、家に押しかけやすい気がする。
チカくんなら老若男女問わず、簡単に人を家に上げそう。
なんて考えていると、「友達の奥さんなんだけどね」とチカくんが続けた。
「奥さんはめずらしい食べ物を試すのが好きで、おれの友達はお取り寄せが好きで。肉や魚なんかもよく分けてくれるよ。でも、ひとり暮らしだから、そんなにもらっても追いつかなくて……。そうだ。食べにくる?」
「え?」
男の人というとブラックコーヒーのイメージがあった。
実際、綴は年中ブラックコーヒーばかり飲んでいる。
「知り合いがそういう少しめずらしいものが好きで、よくおすそ分けしてくれる」
「ふうん」
知り合いって、男かな。女かな。
それって本当に、ただのおすそ分けなのかな。
おすそ分けと言ってしまえば、家に押しかけやすい気がする。
チカくんなら老若男女問わず、簡単に人を家に上げそう。
なんて考えていると、「友達の奥さんなんだけどね」とチカくんが続けた。
「奥さんはめずらしい食べ物を試すのが好きで、おれの友達はお取り寄せが好きで。肉や魚なんかもよく分けてくれるよ。でも、ひとり暮らしだから、そんなにもらっても追いつかなくて……。そうだ。食べにくる?」
「え?」