変 態 ― metamorphose ―【完】
「綴くんと、うちに食べに来る? 冷凍庫がいっぱいで困ってるから、なにかつくるよ。手の込んだものは、つくれないけど」
「え、ああ……。どうだろう。綴、最近忙しいみたいで」
嘘はついていない。
綴は忙しい忙しいと言って、連絡だって会う頻度だって、うんと減った。
だから、けっしてこれはあたしがチカくんと距離をとろうとしてるわけじゃない。
だって、そんな必要はない。
あたしの心臓がチカくんの前で調子が狂うのは、なにかの間違い。誤作動。
きっと、チカくんを見ると急ブレーキにびっくりしたときの感覚を思い出して、胸が騒ぐだけ。
それだけ。
「忙しいのか……。それは残念」
静かにつぶやいて、チカくんはお茶を飲んだ。
綴と話すのが楽しい、と言っていたチカくん。
たしかに綴と話すチカくんはとても生き生きしていた。
それは、綴も。
「え、ああ……。どうだろう。綴、最近忙しいみたいで」
嘘はついていない。
綴は忙しい忙しいと言って、連絡だって会う頻度だって、うんと減った。
だから、けっしてこれはあたしがチカくんと距離をとろうとしてるわけじゃない。
だって、そんな必要はない。
あたしの心臓がチカくんの前で調子が狂うのは、なにかの間違い。誤作動。
きっと、チカくんを見ると急ブレーキにびっくりしたときの感覚を思い出して、胸が騒ぐだけ。
それだけ。
「忙しいのか……。それは残念」
静かにつぶやいて、チカくんはお茶を飲んだ。
綴と話すのが楽しい、と言っていたチカくん。
たしかに綴と話すチカくんはとても生き生きしていた。
それは、綴も。