変 態 ― metamorphose ―【完】
「まあ、いち花も妊娠したらわかるわよ。無性にポテトが食べたくなったり、眠かったりして大変よ。それでもけっきょく三人も産んでるんだから、不思議よね」

あっちゃんは自嘲するように言った。

「へえ、ポテトなんて食べたくなるんだ。グレープフルーツとか、そういうのだと思ってた」

「人それぞれね。私の友達はラーメンって言ってたわよ。あとハンバーガー」

「なんでそんなハイカロリーなものばっかりなの?」

あっちゃんと笑っていると、チカくんが帰ってきた。
気配りなのか優柔不断なのか、ヨーグルトは三種類ほどあった。チカくんらしい。


ラズベリーをたっぷりいれたヨーグルトは甘酸っぱく、さっぱりとおいしかった。
するするとお腹に入って、三杯ほどお代わりした。

「さて、私は夕飯の支度があるから帰るけど、いち花はもう少しいたら? チカにおいしいものでも奢ってもらいなさい」

あっちゃんは今日もチカくんを舎弟のごとく扱って帰っていった。
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