変 態 ― metamorphose ―【完】
「ずっと綴さんにバレないようにやってたみたいなんだけど、どこかからバレたみたい。それで今日、綴さんが圭くんのところに話しに行って、圭くんがお前にも分け前をやればいいんだろ? って言ったら……。綴さん、圭くんに殴りかかったんだって。避けてやった、って圭くんは言ってたけど」

様子がおかしかったのはそういうことか、と遅すぎる答え合わせをして悔しくなった。

なにがあったのか、無理にでも聞き出すべきだった。
ううん。聞き出せなくたって、チカくんがあたしにしてくれたみたいにいっしょに外を歩いて、猫を探したりなんかしていれば、綴はくしゃりと笑ってくれたかもしれない。

そうしたらチカくんの怪我のことだって――。

「ひどいよね。自分が悪いことをした、なんてぜんぜん思ってないんだもん。避けないで殴られておけば弱味をにぎれたのにな、なんて残念そうに言ってたし。あたし、男の人を見る目がないね」

かえちゃんはまるで笑い話をするかのように言って、ちいさな涙をこぼした。
それなのに
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