変 態 ― metamorphose ―【完】
「なにそれ……。どういうこと?」
「もっと距離をとってつき合うべきだった。ずっといち花に甘えてた。綴くんのことは、おれに責任があるよ」
「でもっ」
「否定できないんだ、綴くんに言われたこと。言われてから気づいた……なんて、言い訳にしか聞こえないだろうけど、でも、そうなんだ。自分でもこんなことは異常だって思う。だから、これからはもう、いち花とは……」
その瞬間、目の前が真っ白になって、遠くなってしまった手が完全に見えなくなった。
もう、その手を差し伸べてはもらえない。
あたしがどんなに縋ろうとも。
「昨日、綴くんから連絡があったんだ」
「綴から?」
「すごく後悔してた。もういいって言ったんだけど、それでもずっと謝ってくれて」
ほっとした。なにも連絡がないままなんて、綴がどこかに消えてしまったようで、こわくてたまらなかった。
「もしかして、いち花には連絡は……」
「うん、あたしにはなにもない。メッセージも電話も、なにもない」
「いち花のこと怖がらせたって、気にしてた。待ってれば、きっと連絡くるよ」
「もっと距離をとってつき合うべきだった。ずっといち花に甘えてた。綴くんのことは、おれに責任があるよ」
「でもっ」
「否定できないんだ、綴くんに言われたこと。言われてから気づいた……なんて、言い訳にしか聞こえないだろうけど、でも、そうなんだ。自分でもこんなことは異常だって思う。だから、これからはもう、いち花とは……」
その瞬間、目の前が真っ白になって、遠くなってしまった手が完全に見えなくなった。
もう、その手を差し伸べてはもらえない。
あたしがどんなに縋ろうとも。
「昨日、綴くんから連絡があったんだ」
「綴から?」
「すごく後悔してた。もういいって言ったんだけど、それでもずっと謝ってくれて」
ほっとした。なにも連絡がないままなんて、綴がどこかに消えてしまったようで、こわくてたまらなかった。
「もしかして、いち花には連絡は……」
「うん、あたしにはなにもない。メッセージも電話も、なにもない」
「いち花のこと怖がらせたって、気にしてた。待ってれば、きっと連絡くるよ」