変 態 ― metamorphose ―【完】
「いち花、ちゃんと食べてるの? 困ってることはない?」
「食べてるよ。この前も焼き肉食べに行ったよ、チカくんと綴……」
しまった。
そう気づいたけど、もう遅かった。
「ツヅリ?」
「……彼氏」
「えーっ。チカ、いち花の彼氏に会ったの? なんで? どうして? ずるい。私もいち花の彼氏に会いたい!」
「や、やだよっ」
「チカはいいのに?」
「まあ、ちょっと事情があって」
「私といち花の仲なのに」
そう言ってむくれるあっちゃんの話し方や表情は、ママと少し似ていた。
長いつき合いだと似てくるのかもしれない。
ママと幼稚園からのつき合いの、あっちゃん。
旦那さんと三人の息子たちと暮らすあっちゃんは、うちにお茶をしにきたり、旦那さんと大喧嘩したときには何日か泊まったこともある。
あたしにとってあっちゃんは親戚のような、友達のお姉さんのような、そんな存在。
ママが亡くなったときにいちばんに連絡したのも、あっちゃんだった。
「食べてるよ。この前も焼き肉食べに行ったよ、チカくんと綴……」
しまった。
そう気づいたけど、もう遅かった。
「ツヅリ?」
「……彼氏」
「えーっ。チカ、いち花の彼氏に会ったの? なんで? どうして? ずるい。私もいち花の彼氏に会いたい!」
「や、やだよっ」
「チカはいいのに?」
「まあ、ちょっと事情があって」
「私といち花の仲なのに」
そう言ってむくれるあっちゃんの話し方や表情は、ママと少し似ていた。
長いつき合いだと似てくるのかもしれない。
ママと幼稚園からのつき合いの、あっちゃん。
旦那さんと三人の息子たちと暮らすあっちゃんは、うちにお茶をしにきたり、旦那さんと大喧嘩したときには何日か泊まったこともある。
あたしにとってあっちゃんは親戚のような、友達のお姉さんのような、そんな存在。
ママが亡くなったときにいちばんに連絡したのも、あっちゃんだった。