イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
局長から『指導医を交代するからね』と言われていたが、まさか本院から来た人が私の指導医になるなんて。
とっつきにくそうな人だし、最悪だ。
しかもよりによって、
「麻酔科、ちょっといいか。入るぞ」
私とは一切目を合わせようとしない久我先生が入ってきた。今は麻酔科医は私以外誰もいない。私が対応するしかない。そう思っていたけれど、久我先生は私に目もくれず、
「………五十嵐……先、生」
五十嵐先生を見て顔を歪ませた。五十嵐先生も久我先生を舐めるように見ている。そして、
「どの角度から見ても超絶イケメンの久我だー、今日からここに転属になった五十嵐です、よ・ろ・し・くー」
にこやかに挨拶はしているものの、久我先生を「久我」と呼び捨てにしている辺り面識があるのだろう。
「……はあ、まじですか」
久我先生は呆れたように頭を抱えた。
「そうそう、今日からその小娘のオーベン」
その小娘と、五十嵐先生が私を指さしたことにより、久我先生は私に目線を向けた。
今日初めて目線が合い、ドキッと胸を刺すような嫌な感覚が私を襲う。
挨拶は大事なので「おはようございます」と、久我先生に向かって頭を下げたが、久我先生は私に声を掛けることなく五十嵐先生に目線を戻した。