イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
額のコメカミを掻きながら、
「ったく、五十嵐先生が転属って……うちの外科医、人手不足なんですよ」
あからさまに嫌そうな目を向けてそう呟いた。
「――ああ? 俺が転属してきたことと、この医療センターが人手不足なのはなんの関係もねぇだろうが。いちゃもんつけてんじゃねぇぞ」
……五十嵐先生は容赦ない言葉を吐く。
五十嵐先生と久我先生の関係性は知らないけれど、二人に何かあったのだろうか。
まだ何も言い返していない久我先生にあてつけのように、
「おまえらが手術しやすいように、患者のダメージを最小限にしてるのはこっちだよな? ちっとはオレらの指示も聞け!」
文句を言い散らす五十嵐先生。
確かに、外科の先生の麻酔科医に対しての扱いは雑だけれど、当たり散らかされる久我先生が不憫でならない。
久我先生は私達、麻酔科医を雑に扱ったりしない。
「え、えっと! 久我先生、なんの用でしたっけ!?」
喋りかけたくもない相手だけど仕方がない。身振り手振りなりふり構わず久我先生をサポートする。
「あ、ああ。来週の手術のことについて確認しておきたいことがあってな」
五十嵐先生の圧に負けた久我先生は、五十嵐先生ではなく私にパソコン上のカルテを使って説明を始めてしまった。