イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
「いや、えっと……ええっと……」
久我先生から言われた通り必死に思い出そうとするけれど、全然思い出せない。
頭をいくら捻っても、五十嵐先生に何を言ってしまったのか思い出せない。
いくら考えても一緒なので「記憶にないです」と正直に答える。すると、久我先生は眉間に皺を寄せ不満気な表情をした。
「指導医だから、好きになった?」
「な、なに言って――」
久我先生の問いに否定はできなかった。
私は五十嵐先生を尊敬している。少なからず、私の中には愛も芽生えていると思う。けれど、私の心の中に踏み込んでほしくなくて、形だけでも「そんわけない」と、否定しようとした瞬間、久我先生の唇が私の唇に重なった。
軽く触れるとすぐに唇を離した久我先生。
今何が起こったのか理解できなかった。
「――はぁ、どうだかな。俺の愚痴を言ったことが記憶にないんなら、五十嵐に言い寄られててもおかしくないよな?」
「い、言い寄られてなんか……」
「やっぱり五十嵐を好きなんだ?」
久我先生が私に与える囚われているような、しつこいキスはこの晩止むことはなかった――。