イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
「じゃあ俺ももう戻るから」と、女性職員に手を振っていると、院内から五十嵐先生が出てきた。
俺を見てはニヤリと口元の口角を上げ、「久我、会いたかったぜ。またおまえと組めて嬉しいわ」と、恥ずかしいセリフをサラッと吐いた。
五十嵐先生に捕まってしまった。
「……どうも。ここでの外科医を飛ばすのはやめてくださいね。ただでさえ人員不足なんですから」
「人聞きの悪いこと言うねぇー」
「それと、幸野には絶対手出さないでくださいね。アンタに引っかかったら可愛そうだし」
「ああ? 良いじゃねぇか別に。本院には浮気、不倫をしてるヤツなんてごまんといるんだぞ?」
「その点、俺は独身だし彼女もいねぇけどなー。まあ、遊び相手くらいはいるけど」と、ワザと俺の顔を見て反応を楽しんでいる。
「久我も、いつまでも気難しい顔してたら禿げるぞ。遊び相手くらい作れや」
五十嵐先生は俺に近づくなり、ポンポンと肩を叩いてポケットから何かを差し出してきた。
ここらじゃ有名な高級キャバクラの名刺だった。しかも女性のものと思われる電話番号まで入っている。