イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
3.医者でありたい
その間、看護師から患者の状態を聞く。お腹の痛みを訴えているらしい。
俺の専門は心臓だが、消化器部分ならMSFで数多く手術の補佐をやらせてもらったし、人手が足りない時は自分で執刀したりもした。
「分かった。補佐くらいはできるから見てみるよ」
サイレンの音が聞こえる。病院へと近くなってきた。
救急患者を受け入れるべく急いで白衣を着用し、急いで救急用の東の入口へと足を運んだ。
五十嵐先生が「オレもおまえのオペには毎回入る」と言っていたけれど、今はそれどころではない。
ストレッチャーが救急隊員によってタイミングよく運ばれる。救命の人員一名が大慌てで患者の方へ向かって行った。
患者の容態を聞くために俺もすかさずストレッチャーの側へと近寄る。ストレッチャーに乗っている患者に目を向ける。
五十代くらいの男性だろうか。凄く苦しそうな表情をして顔を歪ませていた。酸素マスク越しに苦しそうに息を吐いていた。
「急患は五十代男性。意識が朦朧としており臓器への血流が保てなくなっていると思われます。腸管内腔が狭窄や閉塞をおこしており、低血圧症からくる敗血症性ショックの可能性が高いかと」
救急隊員が患者の症状を俺と救命に報告した。