イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
1.大嫌いなあの人
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医療従事者にとって深刻な問題となっているのが医師不足。なかでも医師不足の診療科ワースト1位になっているのが麻酔科だ。
大学の医学部を卒業し、医師国家試験に合格したのち医師免許を取得する必要がある。
18歳で医大に入れたとして、麻酔科の専門医になれるのは29歳。
私、幸野小夜26歳は卒後3年目。麻酔科専門医までの道のりはまだまだ長い。
この仕事に就きたくて頑張ったはずなのに、気が抜けない環境に身を置いているためか頭がおかしくなりそうだ。
「食事休憩行ってきていいよ、30分な」
「ありがとうございます」
代わりの麻酔科医が声を掛けてくれた為、素早く手術室を後にする。
食事休憩になると一目散に休憩室でお昼ご飯として用意していたインスタントラーメンに、お湯を注いでめいいっぱいすする。
この時間が言葉にできないくらい幸せだ。
口いっぱいに麺を頬張り汁を飲んでいると、休憩室のドアがガチャリと開いた。