イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】


「誰が受け入れたの!? 困るよ、僕以外の救外は他の患者で手いっぱいだし、僕もオペには入らない主義だしさ!」


 俺と一緒に患者の容体を聞いていた救命が、自分は見れないと言い出した。


 こんな時に何を言っているんだ、この男は。


腸狭窄(ちょうきょうさく)の可能性がある。自分じゃ気づきにくいから症状が悪化してから気づくことがほとんどだ! 万が一腸閉塞(イレウス)だとしたら命が危ないんだぞ!」


「いや、でも、キミ、心外の先生でしょ!? 専門外だからって押し付けないでくれるかなっ!」


 ――あ〜もう!! どうしてここはこういう奴らが多いんだよ!


 通常時はご家族や本人の同意が必要だが、一刻を要している患者には同意無しで手術を行うことができる。


 何の役にも立ちそうにないこの男に、

「補佐くらいなら入るし、確かに専門は心外だけど、心臓周りのオペは他でもやったことあるから」

 と告げると、切羽詰まった顔で首を横に振っている。


「い、いや、だからそれがマズイんだってぇ! それじゃあ僕のいる意味なくなっちゃうし、僕がいながらキミがオペしたんじゃ、僕の立ち位置が危うくなるでしょっ!?」


 こいつは俺にオペをさせる気満々だ。


 自分のことしか考えてない。何でこんなやつが救命(ここ)にいるんだ。





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