イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
「俺はただの補佐です! わかりました、いますぐ他の先生呼んできます!」
「あー!! もう、分かった! わかったよっ! 僕、入るから!」
根負けしたように入ればいいんでしょ、と、口がへの字になっていた。嫌なら当直の先生を呼べと言ったのに。コイツが研修医ならまだ言っていることも分からなくはない。
だが、見たところコイツはもう立派な医者だ。首からぶら下げた名前には「藤田」と書かれてある。
…………藤田。コイツの顔と名前は絶対忘れない。
救急外来の扉を開け、ストレッチャーは空いているベッドにスムーズに横付けにされると共に、看護師二名はすぐに俺たちの元へ駆け寄った。
「腸管内腔が狭窄や閉塞を起こしているらしい」
看護師に状況を伝え記録してもらう。
「ベッドに移すよ! いち、に、さん!」
掛け声と共に患者をベッドに移した。
チューブや採血をするための注射器類を至急準備し、看護師によってモニターや血圧計が付けられる。藤田はその様子をただ傍観しているようだった。
CTを撮って緊急オペになればこの人と一緒か……
藤田先生と一緒だからこそ、ふと、五十嵐先生が頭を過る。
やはり連絡しとけばよかった……