イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
やはり脈拍も速く、血圧が低い。
「ルート、取ってくれる?」
看護師にお願いし、点滴の管を刺してもらう。薬剤を経管で注入する。血圧が低いから難しいにも関わらず、この看護師は上手い。
「上手いね、ありがとう」
お礼を言うと、看護師は「先生に褒めていただけて嬉しいです」と、頬を赤くして微笑んだ。
藤田は「慎重にね!」と、看護師にアドバイスをしている。
血圧と脈拍が落ち着いたらCTだ。その前に……俺は外来をキョロキョロと見渡した。俺の視界に見覚えがある人物が一人映った。
二週間前まで心臓外科を研修していた男の研修医だ。
「あっ! ちょっとキミ! えっと……研修医!」
名前が分からなくて曖昧なまま呼び止める。その研修医は俺の名前を覚えてくれていたようで、
「はい? あ、久我先生!」
と、頭を下げて俺の元へと来てくれた。思い出した。笑顔が爽やかな好青年の岩本くんだ。
「岩本くん、今何してるの?」
「今は救命の外回りで見回ってました!」
「急で悪いんだけど、この後手術になるかもしれなくて……入ってくれるかな?」