イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】


「は、はあ。いえ、でも……」


 何か言いたげな岩本くんと、全然ノリ気でない藤田と手術室に向かう。麻酔科の安達さんが導入麻酔を行ってくれて、無事にオペを開始することができた。


 だが、藤田の手は、メスを握ったは良いものの動かそうとしない。終いには、「これ、何かあったら僕の責任になりますよね?」と、責任を逃れるためのあれこれを今考えているようだ。


「だいたい、こういう大手術は消化器外科の先生と連携しながらするんですよ! 救外だからって、なんでもかんでも独断で手術していいってわけじゃないんですよっ!」


 そもそも消化器外科の先生を呼べって言ったのに、それを拒否したのは藤田だろ。


「じゃあもういいです。俺が手術しますんで、藤田先生は電話で消化器外科の先生の指示を聞いて俺に伝えて下さい」

「ええ!? 僕が説明するの?」


 こいつ、本当に何の役にも立ちやしない。


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