イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
「か……紙、ですか」
「うん、腸液を吸収してるからその分硬いし重くなってる」
「な、なんで紙が?」
岩本くんは険しい表情をしながら聞いてきた。
変色した紙を見た鉢目先生が、
『相当な量だし、稀だけど自殺をしようと思って食べたのか、ストレスからの異食症か、認知症かもしれないですね』
と教えてくれた。
異食症か認知症……
患者の複雑な状況に、岩本くんはごくりと唾を飲んだ。
縫合を終えた後、パチンとお腹の皮膚を縫うナイロンを切り終え、
「よし、終了! お疲れ様でした!」
無事に手術は終了した。
岩本くんに目線を向けると、やりきったというような誇らしげな顔をしていた。
鉢目先生からもしきりにお礼を言われ、今度飲みにいきましょうと誘われた。鉢目先生とは普段すれ違っても挨拶をする仲でしかなかったために、変な緊張感が俺を襲う。