イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
マリちゃんのような子だけは……
小・中と仲良かった親友のサキとは、なんでも話し合える仲だった。サキには好きな男の子がいた。同じクラスの藤くん。
1年後には高校受験が控えていたため、受験前に告白したいと、サキは中2の頃に勇気を出して告白をした。けれど藤くんから返ってきた返事は「俺は幸野が好き、ごめん」という言葉だった。
サキの告白に付き合うんじゃなかった。
付き添うなんて、軽はずみな言葉を口にしなきゃよかった。
そこからサキとはぎくしゃくと気まずい仲になり、ひとりぼっちになった私は、今まで以上に勉強に勤しんだ。高校も偏差値が高い進学校へ行き、医大を受験した。
逃げるように自分を追い込んだ私は、特別、医療関係に思い入れがあるわけでもなく、気づいたら医療の仕事を手にしていた。
私のこれまでの人生を振り返ると、恋愛のひとつもしてこなかった。
もうあの時みたいに友人を失うのはごりごりだ。
マリちゃんは友人という間柄ではないけれど、失いたくない後輩。