イケメン外科医が激しく寵愛してきます。【メイン更新中】
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「今日付で本院から転属になった五十嵐神だ。よろしく!」
今日から新しい麻酔科の先生が転属でうちの病院で働くようだ。今ここにいるのは私のみ。他は出ていたり、まだ来ていない。
転属になったらしい五十嵐先生は、私に挨拶をすると、キョロキョロと辺りを見渡した。
「……で、人がいないが、他の麻酔科はまだきてねぇの?」
私に不満気な目を向け、革のソファーに腰掛けた。
黒髪でゆるいパーマがかかった見た目からは一見やる気がなさそうに見えるが、こんなに朝早くに来ているということは、意外にも仕事熱心な人なのかもしれない。
「幸野小夜です。麻酔科医三年目です。よろしくお願いします。もうすぐ来られると思います」
五十嵐先生は私の返しに「ああ、おまえか」と頷いた。
「昨日局長から電話で転属ついでに幸野の指導医をしてほしいって頼まれたんだよ。ヘマばっかしてたらドツくからな」