危険な彼に焦がれて
第1章

居場所をくれた人



【珠那side】


私の心は真っ黒に染まっている。


父は会社が倒産し自殺、母は詐欺に遭い自殺。


いずれにしろ、両親は自殺で亡くなった。


私に残ったものといえば、莫大な借金だけ。


その借金のことで毎日借金取りが家に怒鳴り込みにきた。


殴られたり、煙草を身体に押し付けられたり。


そのせいで、私の身体は煙草と殴られた痕だらけ。


そんな状態で心が綺麗でいられるはずもなく、私の心に闇を落としていった……





「珠那ちゃん!」


今は学校。


教室に向かうため、廊下を歩いていた私に誰かが声をかけた。


「愛美。おはよう」


「うん、おはよう!」


振り返ると、そこにいたのは友達の愛美だった。


と言っても、本当の意味で友達と呼べるかは分からないけど。

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