危険な彼に焦がれて


ガラガラ


教室に着くなり扉を開けると、一斉に視線を感じる。


「あ、愛美ちゃん!」


「愛美ちゃん、おはよう!」


「皆、おはよう~!」


愛美が来たことで、クラスにいる皆が嬉しそうな顔をした。


しかし、隣にいる私を見て、少し顔を引き攣らせる。


「あ、折川さんもいたんだ。おはよう」


「お、折川さん、おはよう」


「おはよう」


愛美に対する挨拶とは違い、よそよそしく感じられる挨拶だった。


まぁ、それも当然のこと。


誰に対しても一線を引いている私に要因がある。


最初は話しかけてきた子もいたけど、今ではそれもなくなった。


愛美は普通に声をかけてくるけど。


「ねぇ、愛美ちゃん!今日の英語の予習やってきた?」


「あぁ~、忘れてた!珠那ちゃん、教えて!」


「いいよ」

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