危険な彼に焦がれて
*
学校が終わり、家に向かった。
「ちょいと待ちな」
家に着き、中に入ろうとしたところで止められた。
振り向くと、ニヤニヤと笑った借金取りの人達がいた。
途端に嫌な予感が頭を過る。
まさか……
「もうその家はお前の家じゃねぇぜ?俺達がその家を売っちまったからな」
嫌な予感が当たってしまった……
どうして……
どうして、こんな……
「何勝手なことをしているんですか。ここは私の家なんですよ」
言わずにはいられなかった。
だって、この家はお父さんやお母さんの思い出が詰まった家だから。
「ふん、お前の家か。もう無くなっちまったぜ?」
「売ったところで大した金にはならなかったがな」
「まだ借金は残ってんぞ?どうするつもりだぁ?」