危険な彼に焦がれて





学校が終わり、家に向かった。


「ちょいと待ちな」


家に着き、中に入ろうとしたところで止められた。


振り向くと、ニヤニヤと笑った借金取りの人達がいた。


途端に嫌な予感が頭を過る。


まさか……


「もうその家はお前の家じゃねぇぜ?俺達がその家を売っちまったからな」


嫌な予感が当たってしまった……


どうして……


どうして、こんな……


「何勝手なことをしているんですか。ここは私の家なんですよ」


言わずにはいられなかった。


だって、この家はお父さんやお母さんの思い出が詰まった家だから。


「ふん、お前の家か。もう無くなっちまったぜ?」


「売ったところで大した金にはならなかったがな」


「まだ借金は残ってんぞ?どうするつもりだぁ?」

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