離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!

◇プロローグ




「お願いします、離婚してください」


 旦那様である南都(なつ)さんが帰宅してすぐに、私は話があると告げた。彼は相変わらず微笑んで向かい合う。私がまさか『離婚』を口に出すなんて思っていないと思うから。


「……どういうこと? 光寿ちゃん」

「言葉の、通りです。だって、南都さんは……私のこと、異性としてみてはいないでしょ?」

「それとこれとは、関係ないんじゃないか? 俺、なんかした?」


 きっと、南都さんにとっては子供の癇癪だと思っているのかもしれない。彼の声色と話し方が子供を宥めるようだから。



「南都さんは何もしてません。何も、ないことが問題なんです。私たち、結婚してもうすぐ一年です。それなのに“夫婦の営み”がないじゃないですか」



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