離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!
◇現れたヒーロー
彼の名前を聞いてないまま、私は彼について店内に入ると左奥にあるエレベーターホールに向かう。
「今からは三階に行くよ」
「はいっ……あの、聞いてもいいですか」
「ん? いいよ」
「あなたの名前を教えていただけますか?」
私がそう言うと彼は一瞬、無言になり「言ってなかったね、そういえば」と思い出したように呟いた。
「申し遅れました。僕は、六條南都です。職業は会社の経営をしている社長職をしてます」
「六條……六條ってことは自動車会社の、ですか?」
「はい。さすがですね、六條自動車株式会社が僕の会社です。結城社長……光寿さんのお父さんにはたくさんお世話になっていたんです」
自己紹介をしているうちに目的地に到着してエレベーターを降りると婦人服の専門店が数店舗あった。