離婚を決意したはずが、スパダリ社長の独占愛によって離してはくれません!



 二階の掃除が終わり、一階に降りて南都さんの書斎以外を掃除機をかけて時計を見ればもう十二時を過ぎていてお昼ご飯どうしようかなと紅茶を飲むためにお湯を沸かしているとスマホがブーブーと震えて画面には【着信 アンナ】と表示されていた。

「……もしもし? 杏奈?」

「あっ、光寿! 久しぶり」


 杏奈は私の学生時代の友人で今も連絡を取ってる唯一の人だ。


「どうしたの、急に電話なんて……」

「あっ、うん。光寿、今出れる? 今、東京にいるんだけど」

「え!? うん、出れるよっ……今どこにいるの?」

「今は渋谷駅」


 渋谷駅!? めっちゃ近いじゃん……!


「今から向かうから、あの、最後に会った時にも待ち合わせで使った美味しいコーヒーやさんで待ってて」

「うん、いいよーじゃあ待ってるわ」


 私は了解と言って自分の部屋のクローゼットを開ける。その中から、清楚なワンピースを取り出してそれに合わせカバンも出して着ると六條の運転手さんに連絡をして迎えにきてもらう。
 本当は自分で行きたいんだけど、南都さんに絶対送り迎えして貰えと言われている。この前もスーパーに一人で行ったら怒られてしまったし……南都さんはとっても過保護だ。





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